伊万里港について

発展の歴史

伊万里港は、伊万里湾の湾奥部に位置し、周囲を東松浦・北松浦の両半島及び福島(長崎県)に囲まれた天然の良港で、昭和26年に重要港湾の指定を受けました。 港の最奥部に伊万里川・有田川の2つの河川が注いでおり、このうち伊万里川河口部からは、17世紀後半から18世紀にかけて多くの焼物が遠くはヨーロッパまで積み出され、「古伊万里」としてその名を知られています。

昭和の初期から30年代にかけては、石炭の積み出しが盛んに行われ、港湾施設の整備も積極的に進められたが、石炭産業の衰退とともに港勢も低下しました。このため、県の産炭地域振興計画の中で伊万里港は工業開発の拠点として位置づけられ、工業用地の造成、公共ふ頭の整備が進められました。

多くの焼き物が遠くはヨーロッパまで
積み出されていた頃の伊万里津の様子

現在の状況

現在、久原北地区では、原木、石炭、砂利・砂等の貨物が取り扱われ、また、久原南地区では、伊万里団地約120haが造成されたことにより、現在、水産や木材関連企業、半導体の大手企業等7社が進出しています。

                           

七ツ島地区では、平成9年4月に韓国・釜山港との間に国際コンテナ定期航路が開設され、令和6年5月現在、週8便が運航されており、コンテナヤードの拡張など港湾施設の整備や積極的なポートセールスに取り組んでいます

平成15年3月には、伊万里湾により東西に分かれていた港湾機能を結ぶ「伊万里湾大橋」が完成し、伊万里港の港湾機能の一体化と、地域のシンボルとしての役割を担っています。
平成25年4月には、伊万里港コンテナターミナルでは、大型化する船舶に対応する-13m岸壁と 荷役設備(ガントリークレーン)の整備が完了しています。

 令和4年8月には臨港道路七ツ島線(七ツ島大橋)が開通し、コンテナターミナルへのアクセス経路が二系統となったことで、貨物輸送の効率が 大きく向上しています。また同年11月には、ガントリークレーン2号機(愛称:まりん)が供用開始され、1号機(愛称:いちごう)との2基 体制となったことで、より安定した荷役に加えて、大型船への対応も可能になりました。

伊万里港コンテナターミナル

将来の展望

平成23年11月には、日本海側地域の経済発展に貢献する拠点港湾を形成するとともに、太平洋側港湾代替機能の確保による 災害に強い物流ネットワークの構築などを目的とする日本海側拠点港(国際海上コンテナ拠点港)に選定されるなど、北部九州の物流拠点としての役割が大いに期待されています。

新規荷主の獲得拡大や、東南アジア・台湾との直航航路の誘致を目指した助成事業にも取り組んでおり、 物流機能の利活用を促進することで、より一層の発展を目指していきます。

伊万里湾大橋

アジアのゲートウェイ 国際貿易港IMARI

伊万里湾は、九州の北西部に位置し東は福岡県、西は長崎県に接し、北は日本海、南は東シナ海に通じ、朝鮮半島までは200kmの至近距離にあります。
伊万里湾は、21世紀の「アジアの時代」にふさわしい東アジア、東南アジアへのゲートウェイとして期待されています。

九州主要都市へスピーディーなアクセス

主要都市と伊万里港の所要時間

  • 福岡 ⇔ 伊万里港74分
  • 長崎 ⇔ 伊万里港1.5時間
  • 熊本 ⇔ 伊万里港2時間
  • 鹿児島 ⇔ 伊万里港4時間
  • 広島 ⇔ 伊万里港4.5時間

長崎自動車道へのアクセス道路や、西九州自動車道の整備により、福岡・熊本、長崎などの主要都市へとの時間距離が大幅に短縮され低コスト、スピーディーな陸上輸送が可能になっています。
現在、西九州自動車道が整備されており、これが完成すれば、福岡市と最短60分で結びます。

飛躍する伊万里港

伊万里港は自然条件や地理的優位性を活かし、実績と将来性のある港として今後も発展の可能性を大いに秘めています。

実績

                           
  • 2022年、全国の外貿コンテナ取扱港59港中第24位、九州第4位
  • 国際コンテナ定期航路4航路(2024.5現在)
    (天津・大連・青島航路、上海・寧波航路、釜山・寧波・上海航路、釜山航路、国際フィーダー航路)

伊万里港を利用いただいている荷主の声

  • ドレー(陸上輸送)料金が安く、所要時間が短いので助かっている。
  • 伊万里港からは道路が混まないので、コンテナの到着が早い。
  • 他港に比べて港に着いてから、配送までの時間が短い。

将来性

  • 日本海側拠点港(国際海上コンテナ拠点港)に選定
  • 西九州自動車道の整備による博多港の補完港としての役割
  • 静穏で水深が深く(-13m~-18m)航行安定性が高い